モノレートは商品の売れ行きや相場変動を、誰にでもわかりやすく公開してくれているサービスです。
公開されているデータはプレミア判別から相場変動まで多岐に渡り、その分析方法も様々です。
その中でも大切な分析方法の一つが「相場判断」です。
せどりは正しい方法を学べば誰でも利益を得る事が出来ますが、実際は始めた方の9割以上がうまく行かずにせどりを辞めています。
辞めた方の中でよく聞く失敗談の一つとして、「仕入れた商品が販売する頃には値下がりしてしまい、結果赤字商品ばかりになってしまった」というのがありますが、
この原因の一つとしてあげられるのが、相場判断を誤る事による失敗です。
ほとんどの方がモノレートで同じデータを利用して相場判断をしているのに、なぜ失敗する人と失敗しない人が出るのでしょうか。
失敗をしない人はどのようにモノレートのデータを分析しているのでしょうか。
今回は、モノレートのデータを活用した失敗しにくい「相場判断」の方法について解説したいと思います。
モノレートって何?という方は、こちらを合わせてお読みください。
目次
相場とは
相場を辞書で調べると、「商品が取引される、その時その時の値段。市価。時価。比喩的に、ねうち。」と出てきます。
例えば、オークションなどが分かりやすいのですが、
3000円で出品されている商品が1つあるとして欲しい人が10人いる場合、その商品を10人で取り合う為価格は上がっていきます。
逆に同じ商品が10個あった場合、3000円で欲しい人が1人だけしかいない時には、他の9個は売れません。
販売者は残りの9個も売り切ってしまいたい為、商品を2000円で欲しい人が9人いた場合、2000円まで値段を下げてでも売り切ってしまうでしょう。
もし他の9個の商品を1人ではなく何人かの販売者が販売している場合には、他の人よりも早く売りさばく為に他の価格よりも値段を下げて販売したりするので、商品価格は2000円よりも安くなる可能性もあります。
このように相場とは、需要に対して供給がどのくらいあるのかまたは、供給に対して需要がどのくらいあるのかで定まっていくモノなのです。
せどりで商品の相場を読むためには
相場は需要と供給によって決められるものですが、全国の相場を読み切る事は困難です。
でも、Amazonで販売を行う場合にはモノレートのデータを活用する事で、ある程度相場予測を立てる事が出来ます。
モノレートを活用して相場を読むには、モノレートで公開している以下のデータを利用します。
- 価格(推移)
- 出品者数(推移)
- ランキング(推移)
- モノレートユーザー
- 3ヶ月の販売数
このデータを分析する事で、相場が今後上がるのか下がるのか、それとも維持されるのかの予測を立てる事が出来ます。
実際どうやって見ていけばよいのか
それでは実際にどのように画面を見ていけばよいのか解説します。
この画面は、Amazonで販売しているとある商品のモノレートデータです。
数字の①~⑤までは、データを分析するときの順番を表しています。
①現在の価格と推移の確認
②価格と出品者数の増減の関連性を調査
③参入余地を調査
④出品者増の可能性調査
⑤実際の販売見込みを予測
この一連の流れで相場がどのくらいで推移するか、そして自分が販売した際に問題なく利益が出て売れていくのかをしっかり読むわけです。
①現在の価格と推移の確認
この画面の「最安値グラフ」だけを抜き取ってみると、1月から3月まで1万円を超える価格だったものが、3月18日からは急に低下傾向になっている事が分かります。
急に価格が下がる原因としてはAmazonが商品を販売し始めるタイミングがありますが、その場合はこのように弧を描くような価格の下がり方はせずにほぼ直角に価格が下がります。
それに価格が低下した後も、日によって価格が変動しているように見える事から、なにか他の原因があると考えられます。
今のところは相場が何かしらの要因で下がったという所までしか分かりませんが、一つ想像できるのは、価格が低下した後に微妙に価格が上下しているところです。
こういった微妙な上下がある場合に考えられる仮説は以下の通りです。
- この商品の仕入れ価格が下がった?
- 価格の競争がおこっているから相場が上下している?
とはいえ、最安値グラフの流れだけでは少なくともこの価格以下で商品を仕入れなければ利益が出ないという事実しか分かりません。
そこで他のデータと合わせて仮説を埋めていきます。
②価格と出品者数の増減の関連性を調査
最安値グラフで出た仮説について確実性を増すために、次は出品者数のグラフと比較してみます。
画像を見て頂くと分かりますが、どうやら価格が低下したタイミングで、新品・中古共に出品者が増加しています。
つまり、最安値グラフの時点であった仮説「価格の競争がおこっているから相場が上下している?」というのは本当っぽい事が分かります。
おそらくは仕入れ価格が下がったか、供給が増えたために販売者が急に増えたのだと想像できます。
ですがもう一つの仮説である「この商品の仕入れ価格が下がった?」という点についてはまだ分からないままです。
ここでのチェックポイント その1
出品者数が急に増加したという事は、なにかしらの要因で供給が増えたわけですが、チェックしなければならないポイントがあります。
それは「今後も出品者が増えるのか」という点です。
このグラフを見る限りでは、出品者数が急に増えた後にいったん安定したように見えますが、その後また少し出品者が増えている事が分かります。
つまり、競合の出品者は今後も増える可能性があるという仮説が生まれます。
もし競合が今後も増えるようであれば、さらに価格競争が激しくなり相場が下がる可能性もありますので、競合がどこまで増えるのかは調査したい所です。
ここでのチェックポイント その2
もう一つ大切なチェックポイントとして、この商品への参入余地があるのか?という点が挙げられます。
出品者が急に増えたという事実はありますが、だからといってこの商品に参入できないというわけではありません。
もしこの商品の価格が下がったことがお客様の購買行動につながり、今までと同じように売れていくのであれば、まだまだ参入余地はある商品という事になりますし、参入余地があるのでれば相場は下げ止まる可能性もあります。
そこで次はランキングの推移を含め、参入余地がある商品なのかの分析をしていきます。
③参入余地を調査
参入余地を測るには、
- 価格が下がったタイミングで売れ行きが上がっている事
- 販売者が増えても売れ行きが維持されているまたは上昇している
少なくともこの二つについて確証が持てなければいけません。
その為には、「最安値」「出品者数」「ランキング」の3つのグラフを総合的に分析する必要があります。
ここに至る手前までに、価格の低下と出品者の増加についてはわかっていますので、最後にランキング上昇を確認しましょう。
このグラフを見る限りでは3月18日以降のタイミングで、今までは2000位台を上下しているようなランキングが、一気に3桁位まで上昇しています。
つまり商品の価格が下がった事で、出品者は増えたが同時に売れ行きも大幅に上がった事が分かり、仕入れ価格によっては今のところ参入余地がありそうな商品である事が分かります。
参入余地があると分かったら確認すべきこと
この商品には、現時点ではまだ参入余地がある事が分かりましたが、だからといってこれで安心して仕入れをするというわけにはいきません。
なぜなら現時点では参入余地があっても、出品者が3倍・4倍に膨れ上がった場合には1人あたりの売れ行きが下がるからです。
売行きが下がるという事は、多くの出品者のキャッシュフローが悪くなる可能性がある為、価格競争が激しくなり相場が下がる可能性があります。
その為にも確認したいグラフがあります。
それがモノレートユーザーのグラフです。
④出品者増の可能性調査
モノレートユーザーのグラフは、モノレートで商品を調査した人数を集計してくれているグラフです。
このグラフの波が上へ向いている場合には、その分商品をリサーチしている人がいると思って差し支えありません。
今回の場合、出品者が50人位増える数日前のタイミングで60人位の人がこの商品の売れ行きをモノレートで確認しています。
60人位の人が見て50人の出品者が増えているので、9割程の人がこの商品をどこかで仕入れたという事が分かります。
大切なのは先を予測して参入余地を測る事
この商品のモノレートユーザーは、この後も40人位確認しているタイミングがあります。
つまり現時点の出品者数よりも30人近くの出品者が増える可能性を秘めていると言えます。
先程確認した際には参入余地があると判断できましたが、さらに出品者が参入してもまだ余地があるのかをしっかり測りましょう。
モノレートユーザーはすべてのモノレート画面で確認出来ない
未来の出品者を予測するのに役立つモノレートユーザーグラフですが、このグラフはすべての商品についているわけではありません。
今回紹介した商品にはついていますが、同じカテゴリだからといって確認出来る機能でもありません。
このあたりはモノレートの開発者さんでなければ分からないのですが、もし知っている方がいれば教えてください(笑)
⑤実際の販売見込みを予測
モノレートユーザーの増加数まで検討した時点で、参入余地があるのか怪しくなってきたこの商品ですが、最後に確認するのが画面上部にある3ヶ月の販売数です。
この数は、おおよそ3ヶ月以内にこの商品が売れた数の総数を集計してくれています。
右横にあるカッコの中は現在の出品者数で3ヶ月の販売数を割った数で、大体一人当たり3ヶ月に何個の商品が売れる見込みがあるかを教えてくれます。
この商品の場合、3ヶ月で一人当たり1.4個うれる見込みがあるという事を表しています。
3ヶ月で1.4個という事は1ヶ月あたり0.46個しか売れない、つまり販売初月では1つも売れない可能性があるという事です。
よほど安く仕入れられるのでなければ、販売するのにはリスクの高い商品である事が分かります。
結論
今回紹介している商品は、出品者が急に増えた影響から相場が下がったと言える商品でした。
ランキング推移からみて相場が下がった影響で商品は売れやすくはなっていますが、それ以上に出品者が増える可能性がある事から、さらに相場が下がる可能性を秘めている商品といえます。
最後に
このように、モノレートは公開されているデータを関連付けて読み解く事で、ある程度まで相場が上昇する可能性があるか、下落する可能性があるかを読み解く事が出来ます。
最後にまとめると、
- 価格の推移と出品者数を関連付けて読み解く事で、相場変動の理由をつかむことができる。
- 参入余地を調べる事で今後相場がどのようになっていくかを予測する事が出来る
- 今後出品者数が増えるかを調べる事で、相場変動を予測する事が出来る。
- 実際の販売見込みを調べる事で、参入余地や相場変動の裏付けをすることができる。
今回紹介した商品の場合には出品者が増えた影響もあって相場が下落したパターンでしたが、もちろん逆の場合もあります。
例えば人気の商品が廃盤となってしまった場合には、供給が低下する事によって相場は上昇します。
このように、相場が変動する際には何かしら他の要因が必ず絡んでおり、多くの場合はモノレート上のデータで予測をすることが出来ますので、一部のデータだけを見るのではなく近い未来にどうなる可能性があるかを見定めるようにすると、失敗のリスクは大きく減ります。
せどりに限らず物販は資金が必要なビジネスですので、仕入れの失敗は大きな損失を生む事があります。
モノレートの分析でお悩みの方がいましたら参考にしてみてください。
悩みを誰にも相談できない方は、タムラに相談してみませんか? 実際に僕が経験してきたことを踏まえて、できる限りのアドバイスをさせていただきたいと思っています。 |